■ 君を訪ねて


「ねぇ、これの作り方教えてよ」

ボールで何かをかき混ぜながらやってきた、突然の訪問者。
頭や顔、服などあちこちに白いクリームのようなものが飛び散っており、彼がいかに雑なのかがよく分かった。それにしてもこの国の人物は遠慮と言うものを知らないのか、相手の返答を聞くよりも先にずかずかとマルコは室内へ上がり込む。

「何回言ったら分かるのかしら…」

その家の主である人物――ガレットは、彼の姿を見るなり溜め息を吐く。

「お菓子は専門外って何回も言ってるでしょ。大好きなアリスにでも聞きなさい」

「その大好きなアリスにあげたいのに本人に聞いてどうするのさ」

マルコはふてぶてしい態度で言葉を返す。その様子にガレットは呆れた様子で苦笑いを浮かべた。


-END-


(彼らのやり取りは、その後数時間続けられたとかいないとか。)



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