■ 目をつむれば
(いつだって君に会える)
「ねえ、聞いて!」
生い茂る木々によって薄暗くなった森。そこに横たわる、紅い瞳をした一匹の魔物。大きな狼のようにも見えるその魔物は、綺麗な白い毛のせいか薄暗いその森の中で一段と目立っていた。
「どうしたんだい?また綺麗な石でも拾ったのかい?」
獰猛な見た目とは裏腹に、我が子を見守る母親のような優しい表情を浮かべ、魔物は少女に尋ねた。
「ううん、あのね!今日はね…」
少女は大はしゃぎで話を続ける。魔物はそれを嬉しそうに聞いていた。
-END-
(今はもう、思い出でしかないけれど)
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